ゆとりふぃるむ

映画『ANNA/アナ』の感想とあらすじ

【目次】

【作品情報】

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(C)2019 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

あらすじ

1990年、ソ連の諜報(ちょうほう)機関KGBで国家にとって危険な人物を抹殺するため育成された殺し屋のアナ(サッシャ・ルス)は、モデル、コールガールなど複数の顔を使い分け明晰(めいせき)な頭脳と抜群の身体能力を駆使し、腕利きの暗殺者に成長する。あるとき、CIAのわなにはめられたアナは、捜査官のレナード(キリアン・マーフィ)から信じがたい取引を迫られる。

キャスト

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【レビュー】

感想

戦う女スパイというと『アトミック・ブロンド』を思い出すが、シャーリーズ・セロンの屈強な肉体が、圧倒的な戦闘力をみせつけるのに対し、アナはあくまで「女の武器」で戦う。男に媚びない女を描くことが主流の昨今、利用できる男は利用するしたたかな女を描くリュック・ベッソンは、自分流を曲げない。

 

タイトルの『ANNA』が回文になってることは、ロゴのNが鏡文字になっていることからすぐに気づく。これは、公開が待たれるクリストファー・ノーランの『TENET』と同じく、時間軸の逆転を意味していると思われる。

 

時間軸がシャッフルされた演出は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』でも見られたが、本作では「あの時のあのシーンは、実はこういう意味でした」という謎解きになっていて、しかもそれが最終的に、すべてアナの"計画通り"だったことがわかる。この感じは、ちょっと『デスノート』っぽい。

 

チェスの駒だと思われたアナは、実は盤面を支配するプレイヤーだったのだ。そのことが、何度もプレイバックされる時間軸で事後的に明らかにされる。バリバリのアクションの裏に、裏の裏をかく頭脳戦が隠されている。

 

『ミッション・インポッシブル』や『007』など他のスパイものだと、与えられた任務の目的や必要性は明確だが、アナの任務は暗殺に特化し、なんのために殺すのか説明はされない。彼女は何度も交渉の余地のない選択を突きつけられるが、その状況自体がアナの計画の一部であり、CIAが首を突っ込んでくるハプニングすら利用して、KGBの支配から逃れることに成功してしまう。

 

その過程で、アナを愛してしまった男二人はあまりにも不憫だ。モデル級の美女に頼られたら、誰もが彼女の力になりたいと思ってしまうだろう。自らは心を動かすことなく、その心理を冷静に利用するアナは、生粋の女スパイだ。

 

これまでのリュック・ベッソンの描くヒロインは、それでも愛を求める女性であったが、アナは彼女たちのアップグレード版なのかも知れない。暗殺任務を遂行するシークエンスで見せる変装の数々は、ある時はニキータ、ある時はマチルダ、ある時はルーシーのように見える。

 

ガンアクションは脳天に一発、迷うことなく、素早く的確に。常に二度撃ちのジョン・ウィックとは違って、これがKGB流なのだろうか。弾倉が空のシークエンスを繰り返すのは演出上の都合だと思うが、訓練されたプロなら、重さで空だと気づくはず。それをわかった上で部屋に入り、わざと時計を落としてきたのか、あるいはやはりハプニングだったのか。CIAに協力したターゲットの指を切り落とす場面にはゾッとした。ほんと、スパイって汚れ仕事だなあと。

 

物語は1990年のロシア、そしてソ連が崩壊しKGBが解散したのは1991年だ。冷戦終結のこのタイミングを舞台にしたのは、偶然ではあるまい。国が崩壊した時、機密漏洩を防ぐため、諜報機関の職員は口封じに殺されたりするらしい。末端の暗殺要員ともなれば、その運命は免れないだろう。元々、彼女に"5年後"なんてなかったのだ。

 

ところで、ロシアのプーチン大統領は元KGBのスパイだったが、こんな映画を撮って監督の身に危険はないのだろうか。少し心配になってしまった。

おすすめ度

映画『ANNA/アナ』のおすすめ度は3.7点(5点満点)。

人間味のある部分が軸となっていて、ブレがなく一貫性のある作品だった。

大まかな展開は読めても、ストーリーの進め方と見せ方が上手で結構楽しい。そして、多種多様なファッションと新人のサッシャルスのアクションがめちゃくちゃ魅力的。ポスターにもなっているアクションシーンには見惚れた。

テンポよく展開が進んでいくため、あまり気が抜けるところがない。何も考えずに観ていたい人にとってはマイナス点かもしれない。

こういう映画で吸ってるタバコってなんかすごくかっこよく見える。。。

【おまけ】

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yutori-film.hatenablog.com

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