ゆとりふぃるむ

映画『劇場』の感想とあらすじ

【目次】

【作品情報】

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(C)2020「劇場」製作委員会

あらすじ

友人と立ち上げた劇団で脚本家兼演出家を務める永田(山崎賢人)は、上演ごとに酷評され客足も伸びず、理想と現実のはざまで葛藤していた。彼はある日、自分と同じスニーカーを履いていた沙希(松岡茉優)に思わず声をかける。戸惑いながらも永田を放っておけない沙希は一緒に喫茶店に入る。そして付き合うことになった二人は、沙希の部屋で一緒に暮らし始める。

キャスト

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(C)2020「劇場」製作委員会

【レビュー】

感想

又吉直樹原作小説2作目の映画化、行定勲監督作品。

 

社会情勢を受けて春から公開が延期になっていて、ようやく公開だと思ったら、Amazonプライムと同時公開となってとても驚いた。

 

制作した映画の配給先が決まらず、NETFLIXとかが買い取ってオリジナル作品となるケースはもう全然珍しくない体制らしく、世間的には最新の映画を携帯とかテレビで見るのは当たり前なのだが、映画館と配信が同時、というのが面白い。しかも日本映画で。

 

家で気軽に見れて、「あーこれ映画館で観たかったなー」とか「誰かと観たかったなー」みたいな小さい欲求が素直に叶えられる感覚は地味に新鮮だと思う。映画館に2回足を運ぶハードルは高いかもしれないが、視聴環境が広いお陰で作品に触れる機会や人が増えることは作り手にとっても、受け取り手にとってもとても良いことだ。

 

思うに企画のスタートは、新作を閉鎖空間でしか発信できない状況から脱却するための試み、みたいなネガティブ寄りの側面が強いような気もするが、今後の映画のあり方としてかなりポジティブな感覚で、公開日にAmazonプライムで視聴した。

 

主人公視点のモノローグの雰囲気や感情の起伏、徐々に自分の夢に追い詰められていく様は1作目『火花』に近しいものがあって、作品全体に創作者の苦悩みたいなものをヒシヒシと感じた。

 

山﨑賢人が演じた永田というキャラの自尊心の異常な高さと自信過剰。でも自分の中では才能が無いことを認めたくないけど認めざるをえない葛藤。舞台の評判も芳しくなく、まばらな動員。かたや注目される劇団への嫉妬。見えない将来への不安…。

 

演劇や音楽などの芸術で食べていこうとした事がある人は、共感の嵐だったのではないだろうか。特に舞台が下北沢を中心に描かれているのがさらに生々しくて良かった。劇中で月日が数年経過していくのを、風景をはじめ着ている服や布団などで分かりやすく表現しているのも好印象。

 

独善的で救いようのない永田は、実は一番人間臭いキャラクターでもあって、漠然といつかの自分と重なって、目をそむけたくなる奴だった。だからこそラストで永田が沙希に投げかけた台詞で彼が少しだけ前に進んだと信じたい…。

 

それはそうと、松岡茉優の演技が本当にに素晴らしかった。直近見てきた役とも全然違うヒロイン・沙希の、時にかわいらしく時に痛々しい喜怒哀楽の表現がどれも突出していて、彼女の視点でもう一作見たいくらいの魅力が詰まっていた。

 

この映画における恋愛の表現とか、セリフ回しとか細部の演出も行定イズムびんびんで最高だった。終盤からラストシーンにかけても演出と演技が相まって、かなり印象的な着地だった。良い読後感がじんわり残る、傑作だったと思う。

おすすめ度

映画『透明人間』のおすすめ度は4.2点(5点満点)。

映画館とAmazonプライムで同時公開となった又吉直樹原作小説2作目の映画。

冒頭の主人公二人の出会いのエピソードが秀逸で、一気に引き込まれる。ラストシーンの演出と仕掛けも圧巻。

下北沢や渋谷、井の頭線がでてきて、音やロケーションがとてもリアル。登場人物も劇団も、きっとどこかで本当に暮らしている、そんな映画の照明感や雰囲気が素晴らしかった。

【おまけ】

ホームシアター

超低予算でホームシアターを作る方法をブログ内で紹介している。ホームシアターに興味があるけどプロジェクターの購入をためらっている人や、大画面で友達とゲームをしたいと考えている人はぜひ読んでみてほしい。

yutori-film.hatenablog.com

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