ゆとりふぃるむ

映画『デッド・ドント・ダイ』の感想とあらすじ

【目次】

【作品情報】

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(C)2019 Image Eleven Productions,Inc. All Rights Reserved.

あらすじ

ロバートソン署長(ビル・マーレイ)、ピーターソン巡査(アダム・ドライヴァー)、モリソン巡査(クロエ・セヴィニー)が見守るのどかな田舎町センターヴィルで、死者が墓場から次々とよみがえる。ゾンビは生前の活動に引き寄せられるように町をさまよい、時間を追うごとに増殖していた。三人の警察官や葬儀屋のゼルダティルダ・スウィントン)、住民たちは、生き残りを懸けてゾンビの大群に立ち向かう。

キャスト

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(C)2019 Image Eleven Productions,Inc. All Rights Reserved.

【レビュー】

感想

ゾンビ映画の文法に則っているにも関わらず、あまりゾンビ映画っぽく感じないのはなぜだろう。ゾンビが登場するまで、無駄とも思える会話劇が続くせいかもしれないし、ゾンビが現れてからも、慌てず騒がず「頭を殺れ!」と冷静なせいかも知れない。

 

鬼才ジム・ジャームッシュが、いまやフリー素材となったゾンビを使って全力でふざけ倒した映画。NHK夜ドラの「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」みたいなノリ。

 

冒頭からテーマ曲「The Dead Don't Die」が流れ、それが劇中で何度も繰り返される。この歌が物語のテーマそのものであることは疑いようがないが、ビル・マーレー演じる署長のクリフは、曲のCDを車の外に放り投げてしまう。

 

この歌を好きなのは、巡査のロニーやゾーイのような若者たち。そして、ロニーの口癖は「ひどい結末になる」だ。厭世的で、悲観的で、刹那的である彼らは、大量消費社会の申し子であり、死んで蘇っても、その執着は残り続ける。コーヒー、シャルドネwifiBluetoothにsiri、子どもたちまでお菓子に群がっている。白人至上主義のフランクだけはゾーイを追いかけていたが、彼はラジオから流れるこの曲が嫌いだった。

 

地下を掘削しすぎて地軸が傾いた結果、日照時間が狂い、生き物の生態にも影響を及ぼす。家畜や鳥たち、ペットも森に逃げ出す。戯画化されているが、消費社会の行く末を予感させる設定だ。アリたちが列を乱して右往左往するのは、土からはい出したゾンビがさまようのと酷似している。自然のバランスが崩れることで発生したゾンビは、消費社会の産物なのだ。そして、彼らは人間に牙をむく。

 

葬儀場でキラリンと目を開くゾンビに爆笑。wifiゾンビがタブレットを持って徘徊する姿は、生きている頃と何も変わらない。若い娘を前にして、おっさんたちがソワソワするとか、「ひどい結末になる」理由が「台本を読んだから」とか、おふざけにも程がある。もちろん良い意味で。車のキーにスター・デストロイヤーとか、本当にくだらなくて笑える。

 

ティルダ・スィントンは素で人間離れしているが、本当に人間離れしていた。パソコンで打っていたのは、アレを呼び出していたのか?動物たちのように、どこかへ避難するために。(役名がゼルダ・ウィンストンなのは、名前をもじっているから?)ロニーの車で悠々ドライブ、「チェック柄、似合ってない」で首をばっさりとか最高。

 

全体的に行き当たりばったり、個々の出来事がバラバラに進行し、警察官である主人公たちが住民を救わない。個人主義もここに極まれりで、他人に興味があるのは、○○○であるティルダ・スィントンだけだ。

 

結局、ほとんど誰も助からないのだが、どこかに隠れたあの少年少女たちはどうなったのだろう。オールドタイプの人間は全滅して、新しい世代が新しい世界を作り上げる以外に、世界を救う方法はないということだろうか。

 

あと、世捨て人のじいさんはやっぱりチキンを盗んでいたではないか。

おすすめ度

映画『デッド・ドント・ダイ』のおすすめ度は3.1点(5点満点)。

ゾンビ映画なのにこのテンションの低さはクセになる。巧みにメタ構造と小ネタを仕込み、「映画」を逆手に取った監督のセンスはまさに奇才と言える。

打ったら打ちっぱなしの物語の行方は良い意味で誰にも分からない。何が人間とゾンビを区別するのか、わたしのゾンビ化も始まっているのだろうか。

大きく盛り上がる場面はあまり無いけれど、最初っから最後までジワジワくる小ボケを挟んでくるから飽きなかった。

キャストはA級なのにストーリーが完全にB級というギャップも良かった。

【おまけ】

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