ゆとりふぃるむ

映画『ドクター・スリープ』の感想とあらすじ

 

【目次】

【作品情報】

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(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

あらすじ

40年前、雪山のホテルで父親に殺されかけたことがトラウマになっているダニーは、人を避けるようにして生きてきた。同じころ、彼の周囲で子供ばかりを狙った殺人事件が連続して起こり、ダニーは自分と同じような特殊能力によってその事件を目撃したという少女アブラと出会う。事件の真相を探る二人は、あの惨劇が起きたホテルにたどり着く。

キャスト

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(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

【レビュー】

感想

スティーブン・キングの小説の映像化は難しいと、昔から私は思ってきたし、実感してきた。多くの作品が映画化・ドラマ化されてきたが、何故かチープなB級感がぬぐえないものばかり。それは何故だろう。おそらく、苦心して書かれている登場人物たちひとりひとりの内面が描けていないからではなかろうか。

 

スティーブン・キングの作品の怖ろしさは一級品だが、その恐怖へと向かう登場人物たちの心理描写、状況描写が実に緻密に繊細に描かれているからこそ、私たちはあたかもそこにいるかのように感じ、恐怖を目の当たりにして戦慄するのだ。

 

ホラー映画の金字塔の一つとして、あまりにも有名なスタンリー・キューブリックの『シャイニング』は、昨年のスティーブン・スピルバーグの大ヒット作品『レディ・プレイヤー1』の中でも重要なキーのひとつとして引用された。

 

それほどキューブリックの『シャイニング』は映像的に人々に強い印象を残している。ただし、原作者のスティーブン・キングキューブリック版シャイニングに猛烈に立腹し、後年自身が指揮を執ってテレビドラマ化して訂正した経緯がある。

 

端的に云うと、原作では狂気に侵されていくジャック・トランスは、息子のダニエル・トランスを深く愛していたという物語の屋台骨を、キューブリックがちらりとも描かなかったからだ。

 

キングの怖ろしい作品の中には根底に“愛”がある。愛があるからこそ失う哀しみ、得られない哀しみなどがあり、愛のために生きようとし、命を投げ出す覚悟もおろかさも生きてくるのだ。

 

そんな経緯があったキューブリック版『シャイニング』であるが、今作をスティーブン・キングは珍しく続編としてほめ讃えている。うかつにも、観終わるまでは素直にスティーブン・キングの言葉を信じてしまっていた。観終わってからようやくキューブリック版『シャイニング』の「続編」として今作をとらえていたと分かった。年を重ね、スティーブン・キングはひとつ大人になったようだ。

 

さて、キューブリック版『シャイニング』の「続編」としての今作。冒頭の懐かしの不穏なBGMから観客を在りし日に引き戻し、ジャック・ニコルソンシェリー・デュヴァルによく似せた役者と撮り方で再現性とつながりを持たせている。

 

映像的にも、ハラハラと緊迫する物語展開にも、キューブリックスティーブン・キングに敬意をはらって丁寧に作られていると思う。

 

トラウマを抱え克服できぬまま成人し、さ迷うダニーをユアン・マクレガーが好演し、『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネイション』でブレイクしたレベッカ・ファーガソンが華を添える。

 

ホラーとは云いがたいが、全編中だるみのないサイキック・サスペンス・エンターテイメントに仕上がっており、『ドクター・スリープ』は、キューブリック版『シャイニング』とテイストは違うものの、ひとつの物語の着地点を目指した。

 

個人的にダニーの救いになるクリフ・カーティス演ずる友人ビリーの存在がよかった。ディック・ハローラン、アブラ同様に、彼もシャイニングの導きといえよう。

 

作中割とサラリと描かれてしまっていたが、ダニーが何故“ドクター・スリープ”と呼ばれるのか。誰もが一度は思う終末への問いと恐怖心へ、今作は温かなまなざしを向けている。それはとてもよかった。

 

おしむらくは──『シャイニング』に続いて原作とは違った展開になるのは、もうお約束なのかもしれない。

おすすめ度

映画『ドクター・スリープ』のおすすめ度は3.7点(5点満点)。

今作は今作で面白かったのだが、前作のじわじわと狂気染みていく感じが好きだったから、そういう意味では予想外で意表を突かれた。

所々に前作を彷彿させるモチーフが散りばめられているのにはテンション上がる。

そしてやはり、例のドアを覗き込むシーン。これはニヤリとせずにはいられない。

前作を観ていなくても、十分楽しめるとは思うが、前作『シャイニング』を観てから今作を観ることをお勧めする。原点を知ることで、見え方がまるで変わる。

 

【おまけ】

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yutori-film.hatenablog.com

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