ゆとりふぃるむ

映画『CLIMAX クライマックス』の感想とあらすじ

【目次】

【作品情報】

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(C) 2018 RECTANGLE PRODUCTIONS-WILD BUNCH-LES CINEMAS DE LA ZONE-ESKWAD-KNM-ARTE FRANCE CINEMA-ARTEMIS PRODUCTIONS

あらすじ

1996年のある日、著名な振付師によって、人里離れた建物に22人のダンサーが集められる。建物には電話がなく、携帯電話の電波も届かず、外は雪で覆われていた。最終リハーサルを終えたダンサーたちは、パーティーを開いて大量のサングリアを浴びるように飲む。しかし、何者かがサングリアにドラッグを入れたため、ダンサーたちは次々とわれを忘れた状態になる。

 シネマトゥデイより

キャスト

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(C) 2018 RECTANGLE PRODUCTIONS-WILD BUNCH-LES CINEMAS DE LA ZONE-ESKWAD-KNM-ARTE FRANCE CINEMA-ARTEMIS PRODUCTIONS
  • ソフィア・ブテラ(セルヴァ)
  • ロマン・ギレルミク(ダヴィッド)
  • スエリア・ヤクーブ(ルー)
  • キディ・スマイル(DJダディ)
  • クロード・ガジャン・マウル(エマヌエル)

【レビュー】

感想

ギャスパー・ノエ監督最新作品。とにかく凄かった。物語という物語は全く無く、打ち上げパーティーの顛末を淡々と描くホラー・ミュージック・スリラー。

 

前半こそ、ノエ監督らしく何を見せられているのだかよく分からない感じの描写が続くが、後半になってからはお待ちかねの最悪な展開。まさに「地獄絵図」。言葉ではなんとも形容し難い、とにかく凄惨な有様になる。パーティーしか描かないというワンシチュエーションぶりも見事。

 

そもそも、LSDでラリったダンサーたちなんて、映画にできるとは思うが、映画にしようとは誰も思わない。ノエ監督は目の付け所が凄いというか、普通じゃない。

 

その上、彼の気持ち悪くなるような演出が加わって、見事に唯一無二の映画になっている。実際に見て体験してほしいが、一番最初にアレがきたり、地獄絵図になった瞬間にものすごい勢いで映画が始まり出したり、映画「全て」がひっくり返ったりする。

 

最高なのが、「アレックス」のゲイバーのシーンが延々と続いていく感じ。どこへ行っても目を塞ぎたくなるようなカオスな状況下で、暗くて、真っ赤で、気持ちが悪くなる重低音が響き、カメラワークがグワングワンと動く。ダンサーたちがラリっているので、ただ普通の人が徘徊しているのではなく、とにかく人間とは思えないような動きと姿で歩き回っていて、もうヒドイ。みんなが言うと思うが、長回しもすごい。さすが世界一長いレ〇プシーンを撮った監督。

 

演出に関しては、本当に神がかっている。濁して書いたが、全然言葉では言い表せないので是非見て欲しい。何度も言うが、本当に演出が最高。

 

皆さんお馴染みのソフィア・ブテラともう1人の女性以外は、なんと動画サイトなどで声をかけた素人ダンサーとのこと。
ソフィア・ブテラはマイケルジャクソンに認められてたくらいすごいダンサーなわけで、とにかくラリった時の動きが尋常じゃない。だが、他の素人と呼ばれるダンサーたちも、それに負けない恐ろしい動きを見せていて、これはスゴイ。

 

しかも、振付師が手掛けたのは映画の最初のみで、その他のセリフや踊りなどはすべて「即興」とのこと。これだけ「ストーリー」というものを排除して、役者本人の何が起こるか分からない化学反応で映画を作ってしまうのは、実験的と言うのか、チャレンジングというのか。そんなノエ監督がもう最高としか言いようがない。なぜこんな映画の作り方ができるのか。本当に天才。

 

ノエ監督が「日本ではR18になっているが、本作は思春期の子たちに見て欲しい。これを見て、アルコールなどを飲もうとは思わなくなる」と言っていたが、まさにその通り。この映画を観て、酒を飲もうとは思わないし、ドラッグなんて見たくもなくなる。ただ、この映画を観たせいで、現実逃避に酒に走るかもしれない。そう思えば、これはレクイエム・フォー・ドリームと同じような映画だと思った。

おすすめ度

映画『CLIMAX クライマックス』のおすすめ度は4.6点(5点満点)。

ノイローゼになるかと思うほど最低で最高の映像作品だった。鑑賞後に全く力が入らない。悪い意味のどきどきが止まらなかった。

映画館で音と映像に集中して観た方がより浸れるので、ぜひ映画館で鑑賞することをお勧めする。

【おまけ】

ホームシアター

超低予算でホームシアターを作る方法をブログ内で紹介している。ホームシアターに興味があるけどプロジェクターの購入をためらっている人や、大画面で友達とゲームをしたいと考えている人はぜひ読んでみてほしい。

yutori-film.hatenablog.com

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