映画『ルパン三世 THE FIRST』の感想とあらすじ

考古学者のブレッソンは、“ブレッソンダイアリー”と名付けられた謎を遺（のこ）してこの世を去る。その謎を解き明かした者は巨万の富を得られるといわれていて、第2次世界大戦中にはナチスがその行方を血まなこになって追っていたとか、怪盗ルパン一世でさえ盗めなかったなどとも伝わる秘宝を、ルパン三世が狙う。

（声の出演）

おはなしをキチンと見ると、THE FIRSTであってるっちゃあってるのだが、中身やキャラのイメージはPart2寄り。劇伴のクセやヒロインのキャラを鑑みるに、山崎貴監督はそちらやカリオストロをFIRSTとみていたのではないかと思ってしまう。

時代背景が七十年代やそれ以前の割に、だいぶオーバーテクノロジーが扱われているのが気になるけれど、やってることはここ何年か金曜ロードショーで観てきたテレビスペシャルの延長線。らしさを活かしたアクションには見るものがあったものの、そこから抜け出せたかといえばそうでもなく。

真っ当にルパンファミリーを前に出すとやり辛いのか、ヒロインであるレティシアとその育ての親、そして悪の親玉が話筋のメインで、見せ場はあるにせよルパン以外の活躍は少なめ。銭形警部の扱いも含め、過去のテレビスペシャルかPart2の雰囲気を3DCGにしたかのような趣き。

ここ何年かのテレビ作品がそちらから外れ、新しい道を模索しようとしてたのとは対照的。しかし、斬鉄剣の設定に関してはよく覚えてたなあそれと感心しきり。

同じく偉大な祖父を持つもの同士のドラマ、選ばれなかった人間の悲哀と、楽しげな要素はちょくちょくあったものの、トータルとしてはこんな感じ。エンディング・テーマの曲調が『モロ』で、山崎監督にとってのルパンはあの辺りの雰囲気なのだろうなあと。

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