映画『イエスタデイ』の感想とあらすじ

【目次】

【目次】
【作品情報】
- あらすじ
- キャスト
【レビュー】
- 感想
- おすすめ度
【おまけ】
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- 動画配信サービス

【作品情報】

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あらすじ

イギリスの海辺の町に暮らすシンガー・ソングライターのジャック（ヒメーシュ・パテル）は、幼なじみで親友のエリー（リリー・ジェームズ）に支えられてきたが全く売れず、夢を諦めようとしていた。ある日ジャックは、停電が原因で交通事故に遭遇。昏睡（こんすい）状態から目覚めると、この世には「ザ・ビートルズ」がいないことになっていた。

シネマトゥデイより

キャスト

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ヒメーシュ・パテル（ジャック・マリク）
リリー・ジェームズ（エリー・アップルトン）
ジョエル・フライ（ロッキー）
エド・シーラン（エド・シーラン）
ケイト・マッキノン（デブラ・ハマー）
ジェームズ・コーデン（ジェームズ・コーデン）

【レビュー】

感想

まず、この映画の良いところはビートルズの名曲に頼りきっていないところ。あくまで、ビートルズが存在しなかった世界を描いており、逆に、『アバウトタイム』よろしくなリチャードカーティスの作家性の方が強かった。なので、ビートルズをよく知らなくても、楽しめる作品となっている。

主軸としては、主人公の佐村河内的成り上がりよりも、幼馴染との恋を描いていて、それがリチャードカーティスらしい、ものすごく親しみのあるというか、ハートフルというか、飾りっけのない凡庸な感じというか、特別感がない感じというか。

色んな感じ方はあるけど、とにかく『アバウトタイム』がベスト級に好きな身としては、ファンタジックなストーリーテリングと、リチャードカーティスの描く飾りっけのない恋の融合が最高すぎて堪らない。冴えない主人公で、ものすごく弱く見えるけど、段々と逞しくなっていく感じも好き。オチも彼らしく、自分らしさを見つめ直す、温かみが溢れる終わり方で最高。

その分、ビートルズが存在しなかった世界という設定を存分に活かしきれていたかというと、そうでは無い。ビートルズの名曲に頼りきらなかった分、曲とストーリーの関係性が恋愛描写の少しだけで、ちょっと薄いのが残念な点ではあるが、ビートルズをあまり知らない自分からしたら、描かれるだけ謎のままでいい塩梅だったかもしれない。

それでも、なんで存在しなくなっているのかであったり、曲やその曲の由来・地名などがどんどん出てくるので、理解度は8割ほどだった。

ただ、ビートルズが存在しなかった設定だけでなく、ビートルズに対する、音楽に対する愛を感じられた。ビートルズの名曲というのは、メンバーの人生や体験を基に作られているということが本作でよく分かる。だからこそ、曲の意味を聞かれても答えられない。それは、ビートルズの記憶と心の中にあるものだから。単に曲のメロディとかリリックがいいだけではない。彼らの人となりがあって、人生があって、初めて曲となる。

今って、歌手の裏にコンポーザーがいるのが結構当たり前だったりする。ジャニーズとかアイドルって殆どが楽曲提供。それって本当に音楽を取り扱う人間と言えるの？って毎回思う。自分で作って、自分を込めて、自分が歌うことが音楽の本質だと感じた。だから、本作の他人の曲を歌って名声を上げていくというプロットは、ファンタジーだけど、今の音楽界を皮肉っていて、音楽の本質を訴えているようにも思えた。

コミカルな部分はとにかく面白く、イギリスを代表するエド・シーランが、友情出演ではないレベルでガッツリ出ていて、ヒムセルフでタレントを起用しているのがやはり面白い。Childish Gambinoは笑った。

リリージェームスが本当に良い。あんなに雰囲気の良いヒロインをやれるのはそういない。